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2015年7月12日日曜日

バンコク滞在で知っておくべき、タイでしてはいけないこと9選


海外に滞在するときには、不必要なトラブルに巻き込まれたり、意図せず相手に失礼をはたらいてしまったりすることのないように、相手の国の文化的背景、してはいけないジェスチャー、タブーなどについて最低限のことを知っておく必要があります。筆者もバンコク滞在3ヶ月となり、だんだんとこの国の雰囲気にも慣れてきたので、今回はこの間に学んだことの覚え書きをしておきます。

タイは敬虔な仏教国であり、階級社会である


まず何よりも覚えておくべきなのが、タイが敬虔な仏教国だということ。タイのタブーの多くは、この仏教的な文化背景からきています。また、タイは日本よりもずっと階級社会の様相が強く、富裕層・インテリ層、中間層、貧困層がはっきりと分かれています。その人の社会的階層は身なりなどの見た目でわかりやすいので、タイ人はわりと見た目で人を判断します。だからなのか、みえっぱりで派手好きな面も。まずはこのあたりを踏まえておきましょう。

以下、タイでしてはいけないことを9つ厳選して紹介します。

1.人の頭を触る


日本人は特に、可愛い子どもなどへの愛情表現として頭をなでたりしますが、タイではこれは絶対にやってはいけません。タイでは頭のてっぺんは精霊の宿る神聖な場所とされていて、ここに触れることはとても侮辱的な行為と受け取られます。欧米でいえば相手に中指を立てるようなものなので、ヘタすると相手が激怒して、あなたに命の危険が及ぶことも。運よく穏便に済んだとしても、これは相手にとってとても失礼にあたる行為なので、うっかり人の子どもの頭をなでてしまったりしないよう、しっかり心に留めておきましょう。

2.女性がお坊さんに触れる


タイには仏教のお坊さんがたくさんいます。頭を剃り、黄橙(黄色とオレンジの中間の色)の衣に身を包んでいるのでひと目でわかります。彼らはタイの中で「たとえようもなく偉い」と認識される最上級の階層に属しています。空港など公共の場では、お坊さんだけが座れる、めちゃくちゃ座り心地のよさそうなソファが置いてあったりします。彼らの位の高さは、なんだろう… ちょっと違うんだけど、もし日本でいうなら「皇室の方々」ぐらいの感じでしょうか。

タイの仏教は上座部仏教といって、日本でポピュラーな大乗仏教と違って非常に戒律が厳しいです。上座部仏教では、出家したお坊さんが女性やその衣服に触れることは深刻な大罪。一度でも触ってしまったものなら、それまでに行なってきた修行がぜんぶチャラになってしまうぐらいのことだそう。だからタイでは、お坊さんが通ると女性はさっと身をひいて道をあけるし、乗り物などでは周囲が気をつかって、わざわざ男性が隣に座ることもあるぐらいだとか。

女性はお坊さんを見かけたら、「自分は彼らの人生を変えてしまうような、よくもわるくも大きな存在なのだ」ということを心に留めて、畏敬の念をこめてそっと距離をとりましょう。欧米的に親愛の情を示そうとして握手しようとするとかならまだ動機としてマシですが、「キャーお坊さんだわーカッコいいー!」とかいって、突然突撃していってお相撲さんでも触るみたいにベタベタ触ろうとするなんてもってのほかです。お坊さん自身も激怒するでしょうし(たぶん精神が鍛えられてるから静かに怒るのでしょうが)、見ていた周囲の人がもっと激怒して、あなたの身に危険が及ぶ可能性があります。

3.みだりに肌を露出する


これは数日観光しているだけではなかなかわからないことなのですが、実は、「ふつうのタイ人」はそれほど肌を露出したりしません。男性女性問わず、あんまりノースリーブとかも着ません。やはり背景には仏教文化があるのだと思います。

ノースリーブとかベアトップ(肩が丸出しになる女性の服)とか、おへその出る服とかホットパンツとか、身体のラインがはっきり出る服なんかを身につけている女性は、たいていは外国人。仮にタイ人女性だとすると、彼女らは多くの場合、生活のために性風俗関連の仕事に従事している人たちです。

やたらと肌を露出しても比較的安全な立場でいられるのは、パッと見て白人とわかるファラン(欧米人)の女性だけ。ファランの男性からすると、タイ人も日本人もざっくりと「アジアン」で、違いなんかわかりません(というか、中国系のタイ人はほんとに日本人との違いがわからない。筆者にも区別つかないことあります)。もしも、そのすれちがったファランの男性がたまたまタイに女性を買うために来た良からぬ人だったりすると、勘違いから不要な危険を招くことになります。

筆者は、日本ではごくふつうな、ちょっとだけ谷間が見えるか見えないか程度の胸の開きで、フレンチスリーブ(肩を軽く覆う程度の短い袖)、ギリギリひざ上ぐらいの丈のワンピースを持っているのですが、それを着ようとしたら「危ないからやめろ」とオットから強く制止されました。それから、まだホテル滞在だったとき、夕方5時か6時ぐらいに買い物帰りでホテルのロビーに入っていったら、人待ち顔で座っていたファランの男性に「あ、(僕が今夜買うのは)この子かな」という顔で上から下までじろっと見られて、とても不快な思いをしたことがあります。相手の男性も、筆者が露出の少ない格好だったのですぐに違うと気づいたようですが、上記のワンピースを着ていたら声かけられてたかもしれません。

女性が身を守りたいのだったら、ファッションのつもりで日本と同じように肌を露出するような服装をすることはやめたほうがいいと思います。

4.Tシャツに短パンで出歩く


筆者のなかでは、特にファラン(欧米人)の男性に多く、次に日本人に多い印象がありますが、これ、ほんとはタイ人から見たらけっこう失礼に映ってると思います。階級社会のタイではファランはかなり上に位置するのでまだ許されるのですが、日本人は「ちょっと上」程度の位置なので、ファランよりももっと自分をよく戒めておかないと、気づかないうちにタイ人に悪印象を与えているかもしれません。

近所のコンビニや屋台程度ならまだいいですが、お洒落なデパートやホテル、レストランなどに行くときは、とくに男性はできるだけ、パリッとした襟つきのシャツに脚の露出しない小ぎれいなパンツなど、清潔感のあるきちんとした服装をしましょう。冒頭にも書きましたが、タイ人は身なりで人を判断するので、ヨレヨレのTシャツなんか着てると思ったようなサービスが受けられなかったりして損してしまうかもしれませんよ。地元のタイ人男性も、それなりのホワイトカラーの人はみんな清潔そうな襟つきのシャツに長いパンツ、革靴風の靴をはいています。

女性の場合は衣服の選択の幅が広いので「襟つき!」と一概には言いにくいのですが、まあ小ぎれいなおしゃれ着だったらいいでしょう。

あ、そうそう、タイでは、男性がすね毛ボーボーなのは嫌われます。熱帯のため虫が多く、虫につかれないようにするためにツルツルにする人も多いのだとか。オットはよく、タイに長期出張に行く前には脚の毛を全部剃ってツルツルにしてました笑 こういう理由もあって、短パンは嫌われるんじゃないかと思います。

5.寺社の中や祠(ポー)の前で侮辱的な態度をとる


これはタイだけでなくどんな国でも共通のことですが、寺社などでふざけたポーズをとったりはしゃいだりしてやたら写真をとったりするのはよくないですね。ゴミを捨てたり立ちションしたりするなんてもってのほかです。服装も3と4で書いたように、比較的きちんとした、露出の少ないものにするのが無難です。

日本人は特別な信教をもたない人が比較的多いため、ある信教で神聖とされているものを侮辱することの深刻さを理解できない人も多いのかもしれません。どうたとえたらいいのかな… たとえば、あなたに自分が人生でいちばん尊敬していて師と仰いでいる人がいたとして、そういう人に対して誰かがアカンベーしたり、服をまくってお尻を見せてみたり、その人の仕草を真似してからかったりしたらどんな気分になるか。あるいは、炊きたてのツヤツヤほかほかの白いごはんを、大笑いしながらお釜から地面に叩きつけて、靴でぐっちゃぐちゃに踏みつけたり、糞尿をかけたりされたらどんな気分になるか、かなあー。

6.サムズアップ(こぶしに親指を立てる「いいね!」のジェスチャー)をする


これはタイでは、子どもがアカンベーするような、子どもっぽく不まじめで侮辱的な印象を与えるジェスチャーなのだそうです。

サムズアップの意図は、Facebookの普及のおかげで以前よりも理解される度が上がったかもしれませんが、おそらく通じるのは、Facebookを日常的に使うようなインテリ・中間・富裕層だけでしょう。屋台の店員さんやタクシーの運転手さんとかに、不用意にサムズアップするのは避けましょう。おいしかったならアローイ、ありがたかったならコップンカー(コップンカッ)と言葉で言うように心がけて。

7.足もとをよく見ないで歩く


これは筆者がバンコクに来てびっくりしたことの上位3位ぐらいに入ることなのですが、タイの建築はとっても不親切です。いや、日本が親切すぎるのかな… 日本ではありえないような段差やデコボコが街じゅうにあります。階段の高さや幅は歩きにくいし、タイルとか剥がれてても放置だしね。ボーッとして歩いてると足ひねるし、華奢なハイヒールなんて履いてられませんよ。というかね、まさにうちのオットがこのせいで足首骨折しましたよ。冗談かと思った。しばらく松葉杖で、ホント大変でした。

どうか、足もとはよーく注意して歩いてください。慣れない外国でケガして松葉杖とか、泣きますよ。

ちなみに、地元のタイ人女性が仕事着に合わせていちばんよく履いてる靴は、ペタンコのパンプスです。そこらへんでよく激安で売ってます。

8.車やバイクに注意しないで歩く


タイの感覚では、「車がいちばん偉い」そうです。車と歩行者の事故が起きても、歩行者が悪いことになる。だからタイの車は強気です。歩行者を尊重しようという気持ちがまったく見えません。減速しない、止まらない、クラクション鳴らす。煽る。バイクはアクロバティックにすり抜けて走っていく。

日本では自殺が多いですが、タイではなんというか、原始的で物理的な事故死が多いです。駐在の日本人もよく事故でケガしたり死んだりしてます。ホント注意してください。

コツは、道を渡りたいときは、ほかに誰か渡ってるときに便乗して渡ること。車さまのほうも、さすがに複数人を轢いてまで通ろうという気にはならないようで、複数人渡ってるとおとなしく止まっててくれます。特にパリッとしたファランの男性とか、社会的階級がより上な人を盾にすると効果抜群です笑 こちらが女性の場合、向こうもレディファーストが身についてるから守ろうとしてくれるし。

タクシーやバスから降りるときなんかも注意です。人が乗り降りしてても、バイクは平気で突っ込んできます。減速いっさいなしで。

9.犯罪に対して無警戒でいる


バンコクはほんとに都会化していて、プロンポンのエンポリウムのあたりなんて日本の表参道か銀座かみたいにオシャレで小ぎれいになってます。でも、やっぱり絶対、日本みたいなつもりでなんていちゃいけません。いちばん気をつけるべきなのはスリ、強盗、詐欺、性犯罪といったあたりでしょうか。

バッグは身体の前に持つ。できれば斜めがけにする。不用意にブランドバッグとか持たない。高価そうに見えるアクセサリーもつけない。タラタラしたりボーッとして歩かない。ひと目で観光客とわかるような身なりもしない。スーツケースはなるべく持ち歩かない。グラサンもしない(グラサンかけてるタイ人なんていません)。暗くなってから出歩かない。とくに女性、とくに繁華街。

まずは、カモと思われないことが大事です。警戒心が見てとれない立ち居振る舞いをしないこと。コイツ警戒してないなーと思われる時間帯に、コイツ警戒してないなーと思われるような場所に行かないこと。

このあいだ聞いて震え上がったのですが、高価そうに見えるイミテーションのアクセサリーとか危ないらしいです。バイクなんかですれ違いざまに引きちぎっていくそうなのですが、向こうも命がけで仕事してるので、奪ってみてイミテーションとわかると激怒して、わざわざ戻ってきて逆恨みで殺されたりするそうです。

タイ語がろくにわからないのにタクシーやトゥクトゥク、バイクタクシーに乗るのも控えたほうがいいです。とくに1人とか、女性とか、夜とか。もう格好のカモです。ボられる、詐欺にひっかける目的で変なところに連れていかれる、レイプされる。金品強奪のうえ殺される。

変な欲を出さない。うまい話には裏があると思うこと。褒められていい気になったりしない。親しげに近づいてきたりやたら親切にしてきたり、やたら英語や日本語のうまい人には、申し訳ないけど注意すること。人目のあるところで不用意に財布やお金を出さない。日本人特有のあいまいなコミュニケーションは封印。わからないとき、断りたいときにニヤニヤしたりしない。

こういうページ↓をチェックするのも大事。似たような情報が「地球の歩き方」なんかにも載ってたりしますが、こちらは最新情報なので、渡航前にぜひ一度熟読を。どういう手口のどういう犯罪が多発してるのか、どこがどう危ないのか… こうした文脈を事前に知っているだけでぜんぜん違います。

外務省 海外安全ホームページ: 危険情報詳細 http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=7&infocode=2015T075#ad-image-0

メールサービスもあります。筆者は登録してます。

海外安全ホームページ: メールサービス登録 https://www3.anzen.mofa.go.jp/kaian_entry/mmgserviceentry.asp

日本人会に入ってる人限定の、緊急時に送ってくれるSMSサービスもあります。

緊急時のSMS登録 @ タイ国日本人会
http://www.jat.or.th/?page_id=2654


さいごに


いかがでしたでしょうか。せっかくの海外滞在、安全で健康に過ごしたいし、地元の人にはなるべく失礼のないようにしたいですよね。あなたのバンコク滞在が安全で幸せであるようお祈りしています。

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