忍者おまとめボタン

2015年7月27日月曜日

タイの国民的ベビーパウダー「Snake Brand Prickly Heat Cooling Powder(スネークブランド プリックリーヒート クーリングパウダー)」を買ってみた


灼熱のタイではベビーパウダーが必須。使わないとあっという間にあせもができます。ということで、ジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーパウダーを毎日夫婦でバフバフ使ってたらあっという間になくなりました。それで、せっかく買うなら地元で愛されているものをと思い、現地ブランドのものを購入。缶がレトロで可愛いし。今回はその話です。

ちょーー涼しい!!!


値段は150gで34バーツ(120円ぐらい)。ジョンソン・エンド・ジョンソンのと比べてやや安いぐらいだったかな。ちなみに欧米系ドラッグストアのBootsにはなくて、スーパーで発見。

香りはクラシック、ラベンダー、クールピンク、オーシャンフレッシュとありますが、まずアプローチすべきは王道だろうと思い、クラシックを選択。香りは甘くて爽やかで可愛らしく、どこか懐かしいラムネみたいな香り。バラ感は特に感じないのですが、ほかの香りのパッケージの傾向からいうと、こちらにはバラの香料も入っていると思われます。

ワクワクしながら手にとってみると、ジョンソン・エンド・ジョンソンのに比べて粒子が荒く、ザラッとして重たい。触感はイマイチです。しかし、肌にのばしてみると… ヒャー!!! ちょー冷たい、涼しい、っていうかむしろ寒いぐらい!? そして、これをのばした肌のサラサラ感がハンパないです。さすが灼熱の国タイの商品。

たぶんこの強烈なスースー感はメントールとカンファーから、そしてサラサラ感は、ベビーパウダーに通常配合されているタルクのほか、さらに皮脂・水分の吸着力が強いカオリンが配合されているからかと。

ともかく、肌をサラサラでクールにするのにはほかに類を見ないほど高い効果を発揮するかと。ただしそのぶん肌への刺激も強いので、敏感肌の方などは気をつけて。筆者の場合、身体にパウダー塗ったあとの手なんかちょっと乾燥するし、皮膚が薄いところはちょっとヒリヒリ感を感じることもあるかも。


スネークブランド プリックリーヒート クーリングパウダー クラシック 使用成分


タルク、カオリン、カンファー、香料、メントール、トリクロカルバン、着色料

トリクロカルバンは殺菌成分です。おそらく、あせも用にと配合されてるのかな。この成分は殺菌力をうたう石けんなどに広く配合されています。しかしこの成分は、最近あちこちで人体への安全性についていろいろ言われており、まだはっきりとしたことはわかっていません。心配な方は避けてみるのも手です。筆者は肌に何か問題出ないかぎり使おうと思ってますが。

ここのブランド、赤ちゃん向けのベビーパウダーをほかに出してるので、赤ちゃんや子どもさんにはそちらがいいかもしれません。ちなみに、プリックリーヒートって「あせも」って意味です。正確にはこの商品、ベビーパウダーじゃなくてあせもパウダーなのね。

スネークブランドの歴史


公式サイトはこちらです。(英語・タイ語)

The British Dispensary (L.P.) Co., Ltd : Personal Care & Health Care http://www.britishdispensary.com/en/index.php

スネークブランドは、「ブリティッシュディスペンサリー」という会社のトレードマーク。ブリティッシュディスペンサリーは、もとはイギリス人医師が作った、薬剤師常駐の薬局(場所は不明)。このトレードマークをタイ人医師がタイ国内で引き継ぎ、あせもパウダーなどを売りだしたのが始まりなよう。だからブリティッシュなのね。ちなみに、ディスペンサリーとは薬局とか診療所という意味です。

商品一覧をみると、いろいろなパウダーだけでなく、タイでよく見かける地元っぽいコロンや化粧水なんかもたくさん作ってるよう。筆者はヘアトニックに興味をひかれました。気持ちよさそー、使ってみたい!!

また購入したらレポートします。

2015年7月25日土曜日

バムルンラード病院でMERS封じ込めに成功


こんな記事が回ってきました。

MERS感染封じ込め 韓国失敗、タイ成功のカギは バムルンラード病院がセミナー | newsclip (ニュース、社会のニュース) http://www.newsclip.be/article/2015/07/22/26319.html

みごと、タイ国内二次感染の抑え込みに成功したようですね。すばらしい。

タイ国内でMERS感染者(国外からの持ち込み例)が出た! しかも発見されたのはバムルンラード病院でらしい! と大騒ぎになっていたころ、筆者はちょうど咳喘息の治療でバムルンラード病院を出入りしていました。当時はステロイドも服用していて免疫力が落ちていたので、自分がなんらかの形で感染者と接触してたら超怖いな… と思い、バムルンラードから「あなたは接触者リストに入っています」とか電話がこないかビクビクしてました。

でも結局連絡がこないまま、接触者リストの追跡調査期間が終わったよう。しばらくしてふたたびバムルンラードに行くと、エレベーターの中などに誇らしげにこんな文言のポスターが貼られるようになりました。写真とってないのでうろおぼえ、訳もテキトーですが。

Thank you for your trust and confidence in Bumrungrad International Hospital
平素よりバムルンラード国際病院をご信頼くださりありがとうございます。

Bumrungrad is without MERS
バムルンラード病院ではMERSは発生していません。

それから、ネットでバムルンラード病院からの発表をPDFで見ることができます。発表は2015年6月25日の日付になっています。

まあそんなわけで、6月末ごろにはホッとして生活を送ることができるようになりました。タイの医療は(少なくとも都市部でいえば)本当にレベルが高いですね。バムルンラード病院の迅速な対応に心から感謝です。

2015年7月24日金曜日

タイのアロマショップ「AnyaDharu(アンヤダル)」に行ってきました



タイ発のアロマテラピーブランドAnyaDharu(アンヤダル)。タイのアロマ系ブランドというとTHANNやHARNNが有名ですが、先日筆者がバンコク伊勢丹の4階でたまたまフラッと入ったのがAnyaDharu(アンヤダル)でした。すっかり気に入ってしまったので今回はそのレポートです。

AnyaDharuの精油(エッセンシャルオイル)は南国系が充実


筆者は日本では生活の木の精油を愛用していました。生活の木で置いているような、ヨーロッパ系のスタンダードな精油(ラベンダーやミントなど)もしっかり揃えているのですが、目につくのは南国の花の精油。このほか、生活の木であまり見なかったような精油も置いています。筆者の目についたのはこの2つでした。

Rosalina/ロザリナ:
オーストラリア原産のフトモモ科の植物の枝と葉から抽出したもの。ラベンダー系の香りで、香り成分的には安眠・リラックス系。

Galanga/ガランガ(ガランガル):
インドネシア料理やタイ料理でよく使われる、ショウガによく似た植物(シャムジンジャーやインディアンジンジャーとも)の根茎から抽出したもの。ショウガよりも甘い香りで、心身を温めながら幸福感を与えるとか。筆者はガランガの入った料理が大好物。ちょっと森のような、樹木の肌のような軽くて爽やかな香りを感じます。

AnyaDharuではPerfumary(香料製造所)のラインナップが秀逸


Perfumaryラインには以下の商品群があります。

・Original Perfume Sachet(香り袋)

・Classic Scented Candle(アロマキャンドル)

・Original Incense Stick(お香)

このテスターがみんな、昔の実験室で見るような、フタまでガラスでできたレトロな茶色いずっしりした遮光瓶に入っていて、それがアンティーク調の木製の棚にずらっと並んでます。ものすごく渋い雰囲気。

筆者がとくにおすすめなのはアロマキャンドル。ちょっと専門的な話になりますが、精油って油の仲間なんです。キャンドルは油とロウでできていて、これも油の仲間。油の仲間である精油を油の仲間でできたキャンドルに溶かしこんで作るアロマキャンドルは、花の香りをそのまま嗅ぐような、フレッシュな感覚を得ることができるのです。

香り袋もお香もどちらも素晴らしい香りなのですが、こちらはドライハーブを使っています。ドライハーブにはドライハーブのよさがあるのですが、生のお花のような感覚とはちょっと違う。

そんなわけで、筆者はアロマキャンドルのテスターを手当たりしだいクンカクンカして、軽くトリップしておりました。面白いのが、コーヒーとかチョコレートの香りもあるのです。これも馥郁(ふくいく)としてたまらない。お金が死ぬほどあったら全種類買い揃えたいなあ。幸せだろうなあ笑

Perfumaryラインの商品を詰めあわせでギフト、とかできるみたいです。

筆者がバンコク伊勢丹のAnyaDharuで購入したもの


ショウガの精油を購入しました。お風呂に入れて身体をあっためるためです。10mlで480バーツ(1700円ぐらい)で、日本でも精油ってだいたい安いのでも1000円台半ばぐらいからなので、妥当な値段。

いわゆる精油の瓶(ドロッパーつき瓶といいます)に入ってる精油の1滴は約0.05ml。だからひと瓶200滴。お風呂に毎日5滴入れてたら1ヶ月ちょいでなくなってしまう。それはなかなかコスパが高いので(バスクリンとか1ヶ月で400~500円ぐらいのコストだもんね)、お風呂には基本的にショウガを薄切りにして干したやつでも入れることにして、精油はその補助か、キャリアオイルに溶かしてツボに塗るとかに使いたいと思います。

AnyaDharuの商品は日本でも購入できる?


入手できるのはタイで売っているラインナップのうちのごく一部ですが、輸入代理店兼日本オフィスがこちらにあります。所在地は練馬区関町。

About ANYADHARU - SAMART international Online Store
http://samart.shop-pro.jp/?mode=f1

それから、こちらの公式サイトによると

Welcome to Anyadharu.com
http://www.anyadharu.com/store.php

表参道、吉祥寺、川崎にも商品を置いている店があるようです。

AnyaDharu(アンヤダル)の意味


AnyaDharu(アンヤダル)はサンスクリット語で「幸福の木」という意味。とても縁起がいいので、AnyaDharu(アンヤダル)の商品はお祝いのギフト・贈り物としてとても人気だそうです。

2015年7月23日木曜日

エアコンで体調を崩したら扇風機を買おう



いまのコンドに移ってから体調が悪くて悪くて… エアコンのせいじゃないかと思い、扇風機に切り替えてみたら思ってたよりずっと快適だったので、今回はその話です。

筆者の不調のメインは咳喘息。まる2ヶ月ほどかけてようやく著者が快方に向かったかと思うと、なんとオットまでがそっくりの咳に…

いままでは、寝室で夜中じゅうエアコンをつけて寝てました。日本の感覚だとこれってかなり特殊なんですが、バンコクではごく普通のことのよう。防犯上、窓開け放って寝てると危ないし。通ってる医者の先生(たぶん日タイハーフ)も「室内環境が安定するから喘息体質にはかえってエアコンのほうがよかったりするかも」とかまで言うので、信じてエアコンつけてました。

でもね、ほんと長引く。困り切って鍼灸の先生に診てもらったところ、著者の場合は身体がすごく冷えて不調が出てるんだってことがわかりました。これを受けて、それまでお風呂にミント系の薬用オイルを入れてたのを生姜のすりおろしに替えたり、おなかなどにホットパックをあてるとだいぶ調子がよくなる… でも一晩寝ると、朝身体のあちこちがキンキンに冷えてて元戻ってる。

これに気づいたあたりで、冒頭のとおりオットも咳で寝込みました。これはただごとじゃないですね。これまでの人生でこんな症状出たことのない2人が、コンドに移ってからほぼ同時にまったく同じような咳で苦しむ、というのは、やはり今のコンドの住環境に原因があるとしか思えません。それで2人で分析して、「やっぱり夜中じゅう寝室のエアコンをつけてるのがいけないんじゃないか」ということになりました。電気代もかさんでるし、できるだけエアコン使わないで過ごしたほうがいいよねという話に。

で、急きょ2人で扇風機買いにいきました。BigCで探したら、500バーツ(2000円弱)ぐらいでティファールのけっこういいやつが見つかった。

さっそく組み立て、寝室の空気をかきまわすように回してみたら気持ちよくて、思わずそのまましばらく爆睡。起きてからふと思い立って窓を開け放ち、エアコンを全部止めて、扇風機回してみたらこれがまた気持ちいい。日陰のそよ風にあたっているようで、汗は出るけどなんだかさわやか。

現在、室温は28℃、湿度は70%。熱中症の危険度が増すのが室温28℃・湿度80%からなので、いちおう大丈夫な範囲です。

なんだーこれなら早く買えばよかった。滞在がそれほど長くないのでなるべく荷物増やさずにいようと思って、扇風機買わずにガマンしてたんですが、やっぱりこういうライフラインに近いものにはお金と手間を惜しまないほうがいいですね。これでようやく2人とも快方に向かえそうです。

※注意

身体に風が直接当たる形で扇風機を回したまま寝ると、気化熱で低体温症を起こして生命に危険が及ぶことがあるようです。寝るときに扇風機をつける場合は、天井に向けて回して、部屋の空気をかき回す程度にしましょう。風は身体に直接当てないように。

2015年7月17日金曜日

Dr.Leeの隠れ家的鍼灸治療院「漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)」に行ってきました



環境の変化からか、来タイ後ずっと不調なまま3ヶ月。バンコクで日本人に有名な鍼灸治療院というとT治療院がありますが、筆者にはちょっと合わなさそう。で、ほかを探してたら見つけました、脈診(脈をとる)だけで全身の不調をパッと言い当てる、というスゴそうな先生。その治療院の名は「漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)」。今回は、そこに行ってきましたのレポートです。

Dr.Leeは英語OK


Lee先生は韓国人なのですが、中国の大学で学んだというのもあるのか、中国語もペラペラ。ペラペラというわけにはいかないけど英語とタイ語、それからごく簡単な日本語もできるようです。すごいな、これで5ヶ国語。

著者が予約のために電話をかけたときには先生ご本人が出てくださった様子。ほかのスタッフはどうもほぼタイ語しかできない様子なので、場合によっては電話をかけてもタイ語しか通じないこともあるかも。

Lee先生への英語はちょっとでも複雑な表現になると通じないのですが、彼の想定内の質問だったり、こちらが意識して単純な単語をはっきりと発音すると通じる確率が上がります。著者の体感からいうと、日常会話がギリギリOKな程度でしたが、語彙に限りがあるしこちらもカタコトなため、ミスコミュニケーションが生じる場合が… 詳細はあとで書きます。

脈診でいろいろ言い当てるというのは本当だった!


ちょこちょこと質問しながらじーっと両手首の脈をとって数分。私、なーんにも喋ってないし何か書いたりしたわけでもないのに、こう。

「一年以内にいろんなことが全部変わったでしょ?(たぶん生活環境の変化と言いたい)タイに来たとかそういうことかな。それですごく疲れてるね」

そのとおりです。衣食住ぜんぶ変わりましたー。毎日疲れてだるくて眠くてしかたないです。

「あんまりものごとを深く考えすぎないで。考えすぎがいろんな痛みにつながってる」

はーい、生まれつき考えすぎる気難しい性格です。ストレスかかるとテキメンに偏頭痛出ます。

「腎臓が機能してない。肝臓にも問題がある。そのせいで、肩が痛い、背中が痛い、頭が痛い、目が痛いね。肩がガチガチに固くなってるはず。頭痛はぎゅーっとしめつけられるような強い痛みでしょ?」

はいそのとおりです。腎臓といってたけど、もしかすると中医学の腎(腎臓および生命エネルギー)かもしれない。疲れすぎると腎が弱くなるのよね。肝臓というのは中医学の肝(肝臓および精神活動、肩まわりの痛みなどと関わりがある)かもしれない。しばらくステロイドとか、強い薬ずいぶん使ってたもんな。そりゃ、代謝を担う肝臓も疲れてるだろう。心身のストレスが強かったから、肝のバランスが崩れるのもあたりまえ。

先生の表現した痛みはまさに偏頭痛の痛みで、肩の激しいコリや痛みは偏頭痛発作が落ち着いたあとにしつこく残るもの。これがうまく解消されないと続いて偏頭痛が出やすくなる。

「かなり難しくなってるから(問題が複雑に入り組んでいて一筋縄ではいかないから)できれば続けて来たほうがいい」

わかってます、わかってますよ。自分でそりゃわかる。お金がとめどなくあればそりゃ来ますけどね。

オレンジ色の施術服に着替える


問診が済むと、柔道着みたいなわりと分厚めの生地でできたオレンジ色の施術服に着替えます。先生がカタコトとジェスチャーで説明してくれるけど、後ろ開きになるように着るので注意。下着(underwear)はとるように言われます。著者は上半身はブラをとって直接施術衣を着、ショーツは迷ったけど履いたままにしました。施術時にも特に問題はなかった様子。

男女別の更衣室があって、中には鍵のかかるロッカーとシャワールーム、トイレ。先生はカタコトの英語で最低限の説明をしてくれるだけなのですが、おそらく「着替えてトイレを済ませて、貴重品はロッカーに入れて、ロッカーの鍵と必要なものだけ持って施術室に来なさい」ということかと。

この施術服は、のちに私の汗で全体に色が変わり、ずっしり重いほどになりました。

施術室へ


施術室はオープンエアー(窓開け放し)で、エアコンかかってません。最初、室温も暑いしお灸も熱いからつらいんだけど、そのうちこれがパラダイスに変わります(※個人の感想です)。

著者が見たかぎりではベッドは6床。私を合わせて3人の女性患者がいました。あとからわかったのですが、彼女らはみんな友達で、中国人だったみたい。

翌日になって「なんで私こんなに足を蚊に刺されてるんだろ」と思ったら、そうだ、施術室だと思い当たりました。

突然背中をバキバキやられて驚きおののく


顔のところに穴の開いてるベッドに案内され、うつぶせに寝かされたあと、先生から英語とジェスチャーで、「ワンと言ったら吸ってツーと言ったら吐いて」と教えられました。ワンツー、ワンツー、ワンツーと3回目で吐いた瞬間に、背中の肩甲骨と肩甲骨の間ぐらいをググッと押されてバキバキっと! 思わずびっくりしてうおおっ! と声が出る著者。同じあたりをもう1回ワンツーでバキバキ。うおおー。バキバキやるよーとひとこと言ってほしかった…

押された位置は、ツボ的にいうと肺兪(呼吸器を司るツボ)あたりな気がします。

お灸は苦悶の背中側から


あのね、これけっこうつらかったです。1時間半うつぶせで、ベッドにあいた穴から下の床しか見えないし、背中のお灸が動いちゃうからむやみに動けない。しかも言葉があんまり通じない。状況がまったくわからなくて不安。途中でおもむろに先生が来て手をとって、「すごい熱いときはここ押してね」と、ナースコール的なボタンの位置を教えてくれたけど。

暑いなか20分歩いてきて、暑い部屋で熱いお灸のせられて1時間半何もできず動けないの刑。最初あったかくて気持ちいいんだけど徐々に熱くなってくる。何度もお灸したことのある著者は、耐えられるか耐えられないかの瀬戸際でこそ効くという実感があったため、今か!? いやまだか!? と常に葛藤しつづけていました。

結局、1時間ほど耐えたあとだったか、ボタン押して「roon, roon(ちょーあつい)」と訴えたら、女性スタッフが来て「roon na kha?(熱いんですね?)」といって対応してくれた。何されてるのかわかんないんだけどちょっと楽に。あとになって、これはお灸と身体の間に布をはさんでくれてるのだとわかりました。

なにしろ、ありえないぐらい汗がでる。著者は元来それほど汗をかかないたちで、だらだら汗が流れるなんてそうないんだけど、このときは全身から汗がだらだら滴り落ち、心臓はバクバク。なんかこう、温泉に長く入りすぎたときみたいな感じで、あー涼しいとこいってひとやすみしたい、冷たい飲み物飲みたい! という感じでグッタリ。

そのうち先生が来たので、「ちょっと疲れた気が…」と控えめに訴えると、「知ってる。でもこれそういうやつだから」と有無をいわさず続行。先生…(T_T)

ここで、「おなかのお灸もやる?」と言われたので、グロッキーな中で「せっかくならやってもらおう」と思い、お願いをした。これ、あとで超ビックリする結果につながります。

とりあえず、1時間半耐えきると背中のお灸を外してもらえ、背中を拭いてもらえます。で、手で示されたほうを見やるとお茶が用意してある! ほどよくぬるいお茶で、グイグイいけました。ちょっと甘草が入っているような、うっすら甘みのあるお茶だったな。

悦楽のお腹側お灸


お茶を2杯グイグイいったところで振り返ると、ベッドにお腹お灸のためのセッティングがされていました。脚の位置には三角の枕があって、膝を曲げた状態で寝るもよう。

おへそを中心におなか全体を覆うようなお灸をのせられました。今度は何されてるのか見えるので安心だし、面白い。まずは薬草の粉をおへそを中心に塗り、その上に、たたんだ布の上にモリモリともぐさの塊を載せたものが載せられます。もぐさの塊にはすでに火がつけられてる。火をつけるのはワイルドにチャッカマンで。ほんとはお灸ってお線香で火をつけなきゃいけないらしいんだけど、量が量だけに悠長にやってられないのでしょう。

お腹のお灸が始まった次の瞬間に、ウッハーきっもちいいーーー!!! とテンションダダ上がりになりました。なんだろうあれ。完全にハイだった気がします。

背中側のお灸はあんなに苦しかったのに、あんなに汗出てたのに、汗はスッと引いて、ここしばらくずっとモヤモヤしていた目と頭はクリアになり、なぜか鼻もわりと通ってる。

そこいらじゅう開け放たれた窓の向こうには萌え出る庭の緑、そのすきまからちらちら光る陽光が見える。著者には聞き慣れない南国の鳥のさえずる声や、ウインドベルの鳴る音が聞こえる。自分のお腹やほかの患者の背中からもくもくと立ちのぼり、天井を舐めて外へ出ていく煙が、いっしょに私たちの邪気や煩悩を吸い出して天に連れていってくれるかのように見えて、しかもそれが逆光なのよ逆光。鳥はさえずってるし(2回め)。ちょっと泣きそうになった。

ここはパラダイスなのか!? あやうく成仏していまいそうだ! と神仏の混沌と入り混じった不謹慎な感激に身を任せながら、この治療院にとって、場所やインテリア、庭のつくりなど、全体の空間のバランスがとても大事だったのだ、と納得しました。

着替えてお灸後の問診など


スタッフの女性がタイ語で「終わったわよ」というようなことを言ってお腹のお灸の始末をしてくれたのですが、どうしていいかわからないのでそのまま横たわること数分。動きがないので施術室から出ていくと先生が庭を眺めていて、私を目にとめると「着替えて」と。

着替えてよくわからないまま戻ってくると、さきほど脈診と問診をしたデスクに先生が座ってる。「お金はどこで払えばいいですか」と訊くと、「うんまあ座って」というジェスチャー。

「ともかく考えないこと。考えすぎがいろんな痛みになるんだからね」と何度も言われているうちに、スタッフが何か黒い濁った液体の入ったカップを持ってきてくれました。

「お腹にいい薬だよ。飲んで」と言われて、ゆっくりめに飲み干しました。まあ、普通の漢方薬の味。

ミスコミュニケーションで驚きの値段に。でも納得


薬を飲み終わったら、「で、今日は背中とお腹にお灸したから、5000バーツ(2万円弱)ね」と言われてひっくり返った!

電話では1回の治療が2500というふうに聞いていたので、まあそれでも多くかかったときのためにと4000持ってきてたのだけど… 足りないじゃんか。

最初の問診時に話したときに、背中が、お腹が、という話をしてたのでちょっと気になって、背中1回2500、お腹1回2500なんですか? ということを訊いたのね。そしたら「いや違う」みたいなことを言われたので、まあじゃあそういうの込み込みで、1回治療に来たら2500なのかな、いくらかとられたとしても4000超えないだろうなー、よかった、と思ってた。のだけど…

「5000!? すいません私今日4000しかもってなくて!!」といったら、「いいんだよ、次の機会で」と。焦って「メールします、メールしますから!!」とくりかえす著者。

双方カタコトであることによるミスコミュニケーションですな。どちらも悪意がなかったし、もう治療は終わってしまったから、どうしようもない。

ともかく、背中のお灸1回2500、お腹のお灸1回2500なので、そこ注意してください。庶民にはかなりの大金なので、超ビックリします。

まあでも、日本の鍼灸の値段と比較して考えたらまあまあ妥当な値段なのですよ。私が受けてきた鍼灸はだいたい10分1000円ぐらいからが相場だったので、3時間半たっぷりサービス受けたとして210分。単純計算で21000円になるわけで、そればかりか薬までもらったわけだから、むしろちょっと安いぐらい。鍼灸の世界ってホント玉石混交で、怪しい人とか、ボッてるなーって人いるけど、この先生の3時間半5000バーツはむしろ安いかもと思いました。

10回連続コースを予約してまとめて払うと1回分無料になるよ(10回の値段で11回受けられる)、という話もそういえば最初にしてたっけ。そうなるとさらにお得だけど、そんな大金払えませんがな… あ、でもすでにそれなりの大金払ってるからもう腹くくって10回分払ってしまって受けまくるのもありかも。

絶叫のマッサージ


「それはそうと、いま2分だけマッサージしていい?」「今?」「そう」となったのでお願いしたら、これが死ぬほど痛い! じっとしていられなくてギャーギャー絶叫。逃げちゃいけないとわかってるのに身体が痛みから逃げようとする。がっちりホールドして容赦なく揉み続ける先生。肩を押さえられてるもんだから、足をジタバタさせたり手で椅子を叩いたりして耐える。それを見て笑うほかの患者。頭の中で「Oh my God forgive me!!」という言葉を出そうと準備するも、痛すぎて息できないほどで、酸素なくなりそうなぐらいヒイヒイ叫ぶだけで終わりました。

ほかの日本人患者が書いてた記事で、「鍼が死ぬほど痛かった、出産より痛かった」ということを書いてたので、きっとマッサージもそうだろうなと覚悟はしてたけど、痛いなら痛いよってひとこと先に言ってよ笑 

なんというか脳みそを直接揉まれたような刺激で、思わず強烈に頭がクリアに。汗は出るわ目はチカチカするわひいふう息切れするわ。なんか今の絶叫で声の詰まりがとれた気がするし笑

考えるな(、感じろ)!


ひとしきり呼吸を整えたところで、「何か生活上気をつけたほうがいいことはありますか、食事とか」と聞いたら、「なーんでもいいよ、そりゃ、いろいろ濃すぎるとか辛すぎるとかは避けたほうがいいけど。ともかくね、そういう細かいこと考えるのがいけないんだよって言ったでしょ!考えるな!」

「わ、わかりましたわかりました、わかっちゃいるんだけど…」とカバンを持ち上げつつ、ハッと思いついて「(私が残金払わないで逃げるかもとか思わないの? 用心のために)電話番号とか訊かないんですか?」って言ったら「いいんだって!だからね、そういうことを考えるなと言ってるの。考えるな!考えちゃだめ!!」

はい、グウの音もでません。サンキュー、サンキューべりマッチ… 

玄関を出て門のところまでニコニコして送ってくれました。

帰る道中、まるで禅問答みたいだなーと思っていたのだけど、あとでさらにびっくり。これを記事に書こうと先生のことをいろいろ調べていたら、先生が韓国の有名な禅宗系の仏教の主任医師をなさっていることがわかったんです。詳細は下に書きます。

Dr.Hansung Leeのプロフィール


通称Dr.Lee、漢字名・李漢盛。韓国生まれ。中国・山東省の山東中醫藥大學にて医薬学士取得。

・独自の東洋医学治療「漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)」の創設者。

・韓国で最もメジャーな禅宗系の仏教宗派「曹渓宗」の主任医師。

・韓国の「漢盛中国伝統医学マッサージ治療研究所(Hansung Science of Traditional Chinese Massage and Treatment Research Center)」の創設者。

・中国の「中国気功協会」公認の気功術習得者。


※曹渓宗について詳細は以下を参照。
曹渓宗 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B9%E6%B8%93%E5%AE%97


漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)の診療時間


10:00~18:00(月曜休)

漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)の治療内容、料金・代金


漢灸の治療は、背中なら脊椎全部、おなかならおなか全部を覆うような大きなお灸を、1時間半ほどかけて燃やしていくのが中心。お灸の前に脈診と問診、後に再度の問診、支払い、必要に応じて漢方薬の処方・短時間のマッサージや鍼といった前後のケアがあります。

料金は「お灸1回(+前後のケア)」で2500バーツ。1回のコースにかかる時間は1時間半~2時間ほど。「お灸1回」の数えかたは、背中で1回、お腹で1回です。たとえば、こういう感じになります。

脈診・問診+背中にお灸(1時間半)+お腹にお灸(1時間半)+問診・漢方薬処方・数分のマッサージ、トータル3時間半=5000バーツ

漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)の日本語公式サイトURL


Dr.Lee Oriental Medical Therapy http://www.hanjiuspa.com/japanese/

※電話番号やメールアドレスなどの連絡先は、このサイト>お問い合わせ で確認できます。音が出るので注意。

漢灸(Han Jiu/ハン・ジウ)の所在地・行き方


所在地


8/1 Soi Lernjai, Kongtonnua, Wattana Bangkok

グーグルマップはこちら
https://goo.gl/maps/YrRUF

※画面右下の歯車のマーク[設定]>[地図を共有する] から、メールで地図のURLを自分に送るなどができます。著者の場合はこうして自分に送った地図をスマホのグーグルマップアプリで開いた状態で、現在位置を表示しながら歩きました。


行き方(簡易版)


BTSエカマイ駅の1番出口を出て、スクンビット・ソイ63(別名エカマイ通り)の角まで出る。この角を右折して同ソイに入ったら直進。15分ほど歩くとエカマイ・ソイ12の角に出る。この角を右折して同ソイに入ったら直進。8/1番地まで進んだら到着。トータル20分ほど。

行き方(写真つき詳細)


BTSエカマイ駅の1出口を出ると、降りる階段があります。これを降りてそのままほんの少しまっすぐ歩くと、スクンビット・ソイ63(別名エカマイ通り)が交差した角に出ます。

角まで出たところ。いまバイクが出てきているのが、これから歩いていくスクンビット・ソイ63(別名エカマイ通り)。右側向かいに見えるビルに入ったシャレオツな黒っぽい店は「The Coffee Club」。さて、右折しましょう。



スクンビット・ソイ63に入って直進すると、右手にはしばらくのあいだ、シャレた屋外レストランが並びます。写真を撮り忘れてしまったしタイ文字読めないので、なんて名前かもわかりません、すいません。しばらくずーっとまっすぐ進みましょう。ずっと歩道があるので、交差点以外は比較的安心して歩けます。

数分進むと左手(道の向かい側)に飲み屋など見えてきます。「黒田」という日系の焼き鳥やの黄色い看板が見えたりします。



黒田の隣にはタイスキのMKレストラン。これが見えたら道が合ってるので安心して。

そこからしばらく進むと、右手にスーパーのBigCが見えてきます。ここまで、疲れた女の足でトータル10分ほど。このあたりは華やかに賑わっていて、いろんな国のレストランなどがあります。街路樹の緑もきれいだし、歩いていて楽しかった。



さらにがんばって5分ほど進むと、スクンビット・ソイ63とエカマイ・ソイ12の交差している角に出ます。写真がわかりにくくてすみませんが、中央に小さく写ってる青い案内板に「12」の文字が見えます。





ここを右折してエカマイ・ソイ12に入ります。あと少し。でもこのソイは歩道がなくて、われわれの歩きたいあたりをずらっと車が路駐してます。対向で突っ込んでくる車に轢かれないように気をつけて。ここを5分ほど歩くとこういう旗が立ってます。到着!


後日談(2015年7月18日追記)


先生に考えるな(、感じろ!) と言われたというエピソードを友人に話したところ、「先生はブルース・リーなんだね」という話に。「考えるな、感じろ!」はかの武術家ブルース・リーのあまりにも有名なセリフですが、そうだ、そういや先生もリーさんじゃないか。もしかして何か狙ってる…? こんど行ったら「あなたはドクター・リーだけどブルース・リーみたいなこというのね」って言ってみよう。

中国や韓国の人で李さん(リーさん、Lee)ってホント多いですね。日本でいう佐藤・高橋・田中ばりに多い。

注意


・こちらの記事掲載の情報は2015年7月時点のもので、変更される場合があります。この治療院は数年ごとに移転しているようですので、特に所在地と連絡先の情報が最新かどうかを確認することをおすすめします。

・こちらの記事に掲載の情報は、上に掲載しています公式サイトの各言語バージョン、ウィキペディアなどから著者が収集・翻訳したものです。

・ファラン向けと思われる英語の詳しい公式サイトが別にあります。ここではDr.Leeのより詳細なプロフィールなど、もっと詳しい情報が掲載されていますが、コピーライト表記があったため、ここからの情報の翻訳・転載は控えました。英語が読める方はどうぞ。

Oriental Medical Therapy | http://oriental-medical-therapy.com/

・詳しくは書きませんが、曹渓宗については一応、上に書いたウィキペディアの記事を読んでおくと、不要なトラブルを避けられるかもしれません。最後までざっと読めば、筆者の言いたいことが伝わるかも。先生ご自身は、上に書いた通りとてもご親切でお優しかったです。

2015年7月12日日曜日

バンコク滞在で知っておくべき、タイでしてはいけないこと9選


海外に滞在するときには、不必要なトラブルに巻き込まれたり、意図せず相手に失礼をはたらいてしまったりすることのないように、相手の国の文化的背景、してはいけないジェスチャー、タブーなどについて最低限のことを知っておく必要があります。筆者もバンコク滞在3ヶ月となり、だんだんとこの国の雰囲気にも慣れてきたので、今回はこの間に学んだことの覚え書きをしておきます。

タイは敬虔な仏教国であり、階級社会である


まず何よりも覚えておくべきなのが、タイが敬虔な仏教国だということ。タイのタブーの多くは、この仏教的な文化背景からきています。また、タイは日本よりもずっと階級社会の様相が強く、富裕層・インテリ層、中間層、貧困層がはっきりと分かれています。その人の社会的階層は身なりなどの見た目でわかりやすいので、タイ人はわりと見た目で人を判断します。だからなのか、みえっぱりで派手好きな面も。まずはこのあたりを踏まえておきましょう。

以下、タイでしてはいけないことを9つ厳選して紹介します。

1.人の頭を触る


日本人は特に、可愛い子どもなどへの愛情表現として頭をなでたりしますが、タイではこれは絶対にやってはいけません。タイでは頭のてっぺんは精霊の宿る神聖な場所とされていて、ここに触れることはとても侮辱的な行為と受け取られます。欧米でいえば相手に中指を立てるようなものなので、ヘタすると相手が激怒して、あなたに命の危険が及ぶことも。運よく穏便に済んだとしても、これは相手にとってとても失礼にあたる行為なので、うっかり人の子どもの頭をなでてしまったりしないよう、しっかり心に留めておきましょう。

2.女性がお坊さんに触れる


タイには仏教のお坊さんがたくさんいます。頭を剃り、黄橙(黄色とオレンジの中間の色)の衣に身を包んでいるのでひと目でわかります。彼らはタイの中で「たとえようもなく偉い」と認識される最上級の階層に属しています。空港など公共の場では、お坊さんだけが座れる、めちゃくちゃ座り心地のよさそうなソファが置いてあったりします。彼らの位の高さは、なんだろう… ちょっと違うんだけど、もし日本でいうなら「皇室の方々」ぐらいの感じでしょうか。

タイの仏教は上座部仏教といって、日本でポピュラーな大乗仏教と違って非常に戒律が厳しいです。上座部仏教では、出家したお坊さんが女性やその衣服に触れることは深刻な大罪。一度でも触ってしまったものなら、それまでに行なってきた修行がぜんぶチャラになってしまうぐらいのことだそう。だからタイでは、お坊さんが通ると女性はさっと身をひいて道をあけるし、乗り物などでは周囲が気をつかって、わざわざ男性が隣に座ることもあるぐらいだとか。

女性はお坊さんを見かけたら、「自分は彼らの人生を変えてしまうような、よくもわるくも大きな存在なのだ」ということを心に留めて、畏敬の念をこめてそっと距離をとりましょう。欧米的に親愛の情を示そうとして握手しようとするとかならまだ動機としてマシですが、「キャーお坊さんだわーカッコいいー!」とかいって、突然突撃していってお相撲さんでも触るみたいにベタベタ触ろうとするなんてもってのほかです。お坊さん自身も激怒するでしょうし(たぶん精神が鍛えられてるから静かに怒るのでしょうが)、見ていた周囲の人がもっと激怒して、あなたの身に危険が及ぶ可能性があります。

3.みだりに肌を露出する


これは数日観光しているだけではなかなかわからないことなのですが、実は、「ふつうのタイ人」はそれほど肌を露出したりしません。男性女性問わず、あんまりノースリーブとかも着ません。やはり背景には仏教文化があるのだと思います。

ノースリーブとかベアトップ(肩が丸出しになる女性の服)とか、おへその出る服とかホットパンツとか、身体のラインがはっきり出る服なんかを身につけている女性は、たいていは外国人。仮にタイ人女性だとすると、彼女らは多くの場合、生活のために性風俗関連の仕事に従事している人たちです。

やたらと肌を露出しても比較的安全な立場でいられるのは、パッと見て白人とわかるファラン(欧米人)の女性だけ。ファランの男性からすると、タイ人も日本人もざっくりと「アジアン」で、違いなんかわかりません(というか、中国系のタイ人はほんとに日本人との違いがわからない。筆者にも区別つかないことあります)。もしも、そのすれちがったファランの男性がたまたまタイに女性を買うために来た良からぬ人だったりすると、勘違いから不要な危険を招くことになります。

筆者は、日本ではごくふつうな、ちょっとだけ谷間が見えるか見えないか程度の胸の開きで、フレンチスリーブ(肩を軽く覆う程度の短い袖)、ギリギリひざ上ぐらいの丈のワンピースを持っているのですが、それを着ようとしたら「危ないからやめろ」とオットから強く制止されました。それから、まだホテル滞在だったとき、夕方5時か6時ぐらいに買い物帰りでホテルのロビーに入っていったら、人待ち顔で座っていたファランの男性に「あ、(僕が今夜買うのは)この子かな」という顔で上から下までじろっと見られて、とても不快な思いをしたことがあります。相手の男性も、筆者が露出の少ない格好だったのですぐに違うと気づいたようですが、上記のワンピースを着ていたら声かけられてたかもしれません。

女性が身を守りたいのだったら、ファッションのつもりで日本と同じように肌を露出するような服装をすることはやめたほうがいいと思います。

4.Tシャツに短パンで出歩く


筆者のなかでは、特にファラン(欧米人)の男性に多く、次に日本人に多い印象がありますが、これ、ほんとはタイ人から見たらけっこう失礼に映ってると思います。階級社会のタイではファランはかなり上に位置するのでまだ許されるのですが、日本人は「ちょっと上」程度の位置なので、ファランよりももっと自分をよく戒めておかないと、気づかないうちにタイ人に悪印象を与えているかもしれません。

近所のコンビニや屋台程度ならまだいいですが、お洒落なデパートやホテル、レストランなどに行くときは、とくに男性はできるだけ、パリッとした襟つきのシャツに脚の露出しない小ぎれいなパンツなど、清潔感のあるきちんとした服装をしましょう。冒頭にも書きましたが、タイ人は身なりで人を判断するので、ヨレヨレのTシャツなんか着てると思ったようなサービスが受けられなかったりして損してしまうかもしれませんよ。地元のタイ人男性も、それなりのホワイトカラーの人はみんな清潔そうな襟つきのシャツに長いパンツ、革靴風の靴をはいています。

女性の場合は衣服の選択の幅が広いので「襟つき!」と一概には言いにくいのですが、まあ小ぎれいなおしゃれ着だったらいいでしょう。

あ、そうそう、タイでは、男性がすね毛ボーボーなのは嫌われます。熱帯のため虫が多く、虫につかれないようにするためにツルツルにする人も多いのだとか。オットはよく、タイに長期出張に行く前には脚の毛を全部剃ってツルツルにしてました笑 こういう理由もあって、短パンは嫌われるんじゃないかと思います。

5.寺社の中や祠(ポー)の前で侮辱的な態度をとる


これはタイだけでなくどんな国でも共通のことですが、寺社などでふざけたポーズをとったりはしゃいだりしてやたら写真をとったりするのはよくないですね。ゴミを捨てたり立ちションしたりするなんてもってのほかです。服装も3と4で書いたように、比較的きちんとした、露出の少ないものにするのが無難です。

日本人は特別な信教をもたない人が比較的多いため、ある信教で神聖とされているものを侮辱することの深刻さを理解できない人も多いのかもしれません。どうたとえたらいいのかな… たとえば、あなたに自分が人生でいちばん尊敬していて師と仰いでいる人がいたとして、そういう人に対して誰かがアカンベーしたり、服をまくってお尻を見せてみたり、その人の仕草を真似してからかったりしたらどんな気分になるか。あるいは、炊きたてのツヤツヤほかほかの白いごはんを、大笑いしながらお釜から地面に叩きつけて、靴でぐっちゃぐちゃに踏みつけたり、糞尿をかけたりされたらどんな気分になるか、かなあー。

6.サムズアップ(こぶしに親指を立てる「いいね!」のジェスチャー)をする


これはタイでは、子どもがアカンベーするような、子どもっぽく不まじめで侮辱的な印象を与えるジェスチャーなのだそうです。

サムズアップの意図は、Facebookの普及のおかげで以前よりも理解される度が上がったかもしれませんが、おそらく通じるのは、Facebookを日常的に使うようなインテリ・中間・富裕層だけでしょう。屋台の店員さんやタクシーの運転手さんとかに、不用意にサムズアップするのは避けましょう。おいしかったならアローイ、ありがたかったならコップンカー(コップンカッ)と言葉で言うように心がけて。

7.足もとをよく見ないで歩く


これは筆者がバンコクに来てびっくりしたことの上位3位ぐらいに入ることなのですが、タイの建築はとっても不親切です。いや、日本が親切すぎるのかな… 日本ではありえないような段差やデコボコが街じゅうにあります。階段の高さや幅は歩きにくいし、タイルとか剥がれてても放置だしね。ボーッとして歩いてると足ひねるし、華奢なハイヒールなんて履いてられませんよ。というかね、まさにうちのオットがこのせいで足首骨折しましたよ。冗談かと思った。しばらく松葉杖で、ホント大変でした。

どうか、足もとはよーく注意して歩いてください。慣れない外国でケガして松葉杖とか、泣きますよ。

ちなみに、地元のタイ人女性が仕事着に合わせていちばんよく履いてる靴は、ペタンコのパンプスです。そこらへんでよく激安で売ってます。

8.車やバイクに注意しないで歩く


タイの感覚では、「車がいちばん偉い」そうです。車と歩行者の事故が起きても、歩行者が悪いことになる。だからタイの車は強気です。歩行者を尊重しようという気持ちがまったく見えません。減速しない、止まらない、クラクション鳴らす。煽る。バイクはアクロバティックにすり抜けて走っていく。

日本では自殺が多いですが、タイではなんというか、原始的で物理的な事故死が多いです。駐在の日本人もよく事故でケガしたり死んだりしてます。ホント注意してください。

コツは、道を渡りたいときは、ほかに誰か渡ってるときに便乗して渡ること。車さまのほうも、さすがに複数人を轢いてまで通ろうという気にはならないようで、複数人渡ってるとおとなしく止まっててくれます。特にパリッとしたファランの男性とか、社会的階級がより上な人を盾にすると効果抜群です笑 こちらが女性の場合、向こうもレディファーストが身についてるから守ろうとしてくれるし。

タクシーやバスから降りるときなんかも注意です。人が乗り降りしてても、バイクは平気で突っ込んできます。減速いっさいなしで。

9.犯罪に対して無警戒でいる


バンコクはほんとに都会化していて、プロンポンのエンポリウムのあたりなんて日本の表参道か銀座かみたいにオシャレで小ぎれいになってます。でも、やっぱり絶対、日本みたいなつもりでなんていちゃいけません。いちばん気をつけるべきなのはスリ、強盗、詐欺、性犯罪といったあたりでしょうか。

バッグは身体の前に持つ。できれば斜めがけにする。不用意にブランドバッグとか持たない。高価そうに見えるアクセサリーもつけない。タラタラしたりボーッとして歩かない。ひと目で観光客とわかるような身なりもしない。スーツケースはなるべく持ち歩かない。グラサンもしない(グラサンかけてるタイ人なんていません)。暗くなってから出歩かない。とくに女性、とくに繁華街。

まずは、カモと思われないことが大事です。警戒心が見てとれない立ち居振る舞いをしないこと。コイツ警戒してないなーと思われる時間帯に、コイツ警戒してないなーと思われるような場所に行かないこと。

このあいだ聞いて震え上がったのですが、高価そうに見えるイミテーションのアクセサリーとか危ないらしいです。バイクなんかですれ違いざまに引きちぎっていくそうなのですが、向こうも命がけで仕事してるので、奪ってみてイミテーションとわかると激怒して、わざわざ戻ってきて逆恨みで殺されたりするそうです。

タイ語がろくにわからないのにタクシーやトゥクトゥク、バイクタクシーに乗るのも控えたほうがいいです。とくに1人とか、女性とか、夜とか。もう格好のカモです。ボられる、詐欺にひっかける目的で変なところに連れていかれる、レイプされる。金品強奪のうえ殺される。

変な欲を出さない。うまい話には裏があると思うこと。褒められていい気になったりしない。親しげに近づいてきたりやたら親切にしてきたり、やたら英語や日本語のうまい人には、申し訳ないけど注意すること。人目のあるところで不用意に財布やお金を出さない。日本人特有のあいまいなコミュニケーションは封印。わからないとき、断りたいときにニヤニヤしたりしない。

こういうページ↓をチェックするのも大事。似たような情報が「地球の歩き方」なんかにも載ってたりしますが、こちらは最新情報なので、渡航前にぜひ一度熟読を。どういう手口のどういう犯罪が多発してるのか、どこがどう危ないのか… こうした文脈を事前に知っているだけでぜんぜん違います。

外務省 海外安全ホームページ: 危険情報詳細 http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=7&infocode=2015T075#ad-image-0

メールサービスもあります。筆者は登録してます。

海外安全ホームページ: メールサービス登録 https://www3.anzen.mofa.go.jp/kaian_entry/mmgserviceentry.asp

日本人会に入ってる人限定の、緊急時に送ってくれるSMSサービスもあります。

緊急時のSMS登録 @ タイ国日本人会
http://www.jat.or.th/?page_id=2654


さいごに


いかがでしたでしょうか。せっかくの海外滞在、安全で健康に過ごしたいし、地元の人にはなるべく失礼のないようにしたいですよね。あなたのバンコク滞在が安全で幸せであるようお祈りしています。

2015年7月5日日曜日

家具つきコンドの備品がことごとく壊れてた話


5月に家具つきコンドに引っ越してきました。場所は、適度に静かでかつ便利、シャレオツなスポットにもほど近い、とてもいいところ。このエリアは本来著者世帯の経済状況では手の届かない相場なのですが、たまたま相場よりはるかに安い値段で、立派なバスタブつきのとてもいい部屋がみつかりました。

インテリアは基本的に白で統一されていて、飾ってある絵などもなかなかセンスがいい。ハデハデきらびやかなものが多いタイではちょっと珍しいかも。キッチンもタイにしては充実していて、ほかの部屋の広さもじゅうぶん。

そんなわけで著者はすっかりここを気に入ってしまったのですが… 備えつけの電化製品とか水回りがことごとく壊れてるゥ!! 日本だったらありえないシチュエーションです。ぶうぶう文句をいっていたら、オットに「タイというのはこういうところなんだ。主張して主張して直して直して、やっと快適になったころに出ていくことになって、次に入る人がトクするっていうシステムなんだよ」とたしなめられました。

そんなわけで、今回は「なにがどう壊れてていかに大変だったか」の話を切々とつづりたいと思います。

壊れてないもののほうが少ないのでは…


数え上げてみたらこれだけ壊れてました。なんていうか… だいたい全部? しかも、7と8はいまだに未対応。あとはキッチンに立派なビルトインオーブンがあるんだけど、動かしてみて動かないとか、火が出るとかしたらヤダなと思うと怖くて、まだ一度も動かしてません^^;

1.トイレのタンク
2.バスタブの栓
3.洗濯機
4.食洗機
5.ディスポーザー
6.エアコン
7.居間の掃き出し窓のサッシ
8.ベランダの照明


言葉の壁と体調不良で涙目


なにがつらいってね、ファラン(欧米人)も多いコンドなのに、スタッフがほとんどタイ語しかしゃべれないんですよ。オットがいればオットが通訳してくれるんだけど、彼らのオフィスアワーってオットのオフィスアワーでもあるわけで。ひとりで対応しなきゃならないことも多くて、簡単な英単語と身振り手振りだけでなんとか大意を伝えたり、Google翻訳のアプリの音声入力・出力を使ったりとか、ほんと苦労しました。

悪いことに、著者はここに移ってきて半月ぐらいでひどい咳喘息をおこしてしまい、つい最近までほぼずっと寝込んでました。寝間着でスタッフ迎えるわけにいかないから具合悪くても着替えて待ってたり、言葉の壁があるうえにそもそも声がロクに出ないとか、ああ、思い出しただけでおぞましい。

1.トイレのタンク: 1日中水がチョロチョロ、床が濡れる


タンク内の部品が経年劣化でことごとく壊れてました。複数の問題が絡みあっててもうわけわからない。

・トイレを流してからタンクに水がたまっていくときに、その水がなぜか噴水のように飛び散る→ タンクの上辺を超えて流れ出て床を濡らす
・タンク底部の栓のゴムがいかれてて常に少量の水が流出しつづけ、タンクがいつまでも満水にならない→ 1日中水がチョロチョロ
・水量をはかる浮きが十分にあがらない→ 上の問題とあいまって1日中水がチョロチョロ

こんなことで水道代があがるのはイヤ。夜中にずっとチョロチョロいってるのを聞いてるだけでもったいなくてイライラするので、いちばんさいしょに修理をお願いしました。スタッフがいったん調べにきてくれて、翌日ぐらいにパーツを持ってきて1時間かそこらでタンクの中身総とっかえ。さいきんは浮きがないタイプの部品があるのね、トイレタンクの中身もハイテクになっているのだなあ。

2.バスタブの栓: いったん閉まったら最後、開かない


お湯がたまって水圧がかかると開かなくなる。ドライバー使ってこじあけないと排水できない笑 いったん修理してもらったんだけどだめで、結局は部品が摩耗していかれてるってことでネジをひとつ替えてもらって解決しました。

3.洗濯機: 突然気まぐれに動かなくなる(スタッフがくると動く!)


これがいちばん大変でした。どうも12年は前のものみたいで、もともとの性能がイマイチなうえに、経年劣化で基板がいかれてて、瀕死の状態でやっと動いてる感じだったみたい。

前の住民がロクに掃除しない人だったみたいで、はじめは、きれい好きな私が庫内をひと目見て卒倒しそうになったぐらい真っ黒のヘドロだらけ。1昼夜かけて掃除しては回し掃除しては回しして、やっときれいになったと思って、必需品であるベッドパッド(前の住民がかけたままだったやつ)を初めて洗って乾燥が終わ… ると思ったら初めてのエラー。

使っていくうちに気づいたんですけど、この洗濯機、毛羽をある程度排水といっしょに流してしまうのが苦手みたい。タオル数枚を洗っただけで排水フィルターが毛羽でモリモリに詰まってしまい、排水できなくなってエラーが出る。

毎日フィルターを掃除するようになったら排水に関するエラーは出なくなったのですが、こんどは、日中に回そうとするといつまでもジャージャーと水を流しまくったあげく、「水がたまらないので洗えません♪」という感じでウォーターサプライ関係のエラーが出て止まるようになりました。水、出てるんだから流してないでためろよ…

水をジャージャー流し、洗濯物をビシャビシャに濡らし、洗剤はぜんぶ流し去った状態で止まるので、著者としては怒り心頭なわけです。水も洗剤も電気代ももったいないし、几帳面なので、洗濯物が長時間濡れたままだと「雑菌が繁殖する!」と気になって気になって。コンセント抜いて再起動したりすると動く場合もあるけど、数時間おいてやっと復活することもあり、ともかく瀕死だということしかわかりませんでした。腹立つのが、オットに報告したり、スタッフ呼んだりするとそのときだけは動くのよ笑

オットに文句をいうと「朝イチなら動くんであれば朝イチに回せばいいこと。そういうものなのだと思って、洗濯は1日1回にすればいい。こっちの水道は貧弱なので、日中は水圧の関係とかで動かないのかもしれない。タイでの生活というのはこういうものなのだから君も文句いってないで慣れたまえ」みたいなこというので、著者の不満はさらにたまりました笑

その後、1日に1回しか回せないのにイラついて、色の出そうなものとバスタオルをえいやと一緒に洗ったら、買ったばかりのバスタオルが黄色に染まってしまいました。ふだんの著者は慎重だからこういうことは絶対やらないのですよ。

だもんだから、「そうかー苦労かけるねえ仕方ないねえ」と言われるつもりでオットに報告したんだけど、なんとここでオットが怒ってしまった。そこから、「洗濯してるのは私なのにそれはなんだ! そもそも私はこんなとこまで一生懸命ついてきたのに!」 とえらいケンカに… 

おそろしいねー。ふだんほとんどケンカしない仲良しなのに、これはけっこう危機だったわ。ライフラインに近い電化製品の故障は、人間関係に亀裂をいれる破壊力もってますね。ふたりとも慣れない環境で余裕もなくなってたんだろうなー。いろいろ反省です。

そのうち、ついに朝イチで回しても動かない日がきました。このときは丸一日動かなかった。こないだのケンカで少しびびったのか、私が体調悪い中バスタブで必死に手洗いしてるのを見て不憫に思ったのか、おろおろしながら申し訳ながって、素早く対応してくれました。感謝…

オットが大家さんに訴えると大家さんはすぐに新しい洗濯機を買ってくれ、数日でそれに交換となりました。恐ろしいのが、洗濯機はキッチンのカウンター下にビルトインになってるんだけど、サイズがキッッチキチなの。上下も左右も、1センチの余裕もないぐらいキッッチキチなの。古いほうももともとキッッチキチで、天板をはずしてやっと入ってたのだけど、新しいほうも、スタッフが迷うことなく天板はずしてました。ちょっとぐらい迷おうよ?^^;

古い方を出すときも大変でした。男の人3人でうんとこしょどっこいしょしても出なくて、最終的にはキッチンのカウンター下に渡してある太さ数センチの木片がじゃまなのだということになったらしい。突然、大家さんに電話しろと言われました。スタッフのお兄さんたちにはくわしい事情を説明できる英語力がないので、ともかく「電話して」とだけ言われたのだけど、筆者は雰囲気から、要するに備品に手を出すから大家さんの許可を得なきゃいけないということだろうな、と判断。

大家さんはタイ人で英語もしゃべれるんだけれど、リスニングが超イマイチみたいで、こちらの英語がほとんど通じない… fourをtwoと聞き違えるとか。こちらも咳喘息の一環で鼻が詰まってて発音しづらいし、しばらく「そんな部屋番号ないよ、あなた誰?」みたいな感じでつらかった… きょうwashing machineをchangeする○○ですと繰り返し言ったらやっと通じた(T_T)

新しい洗濯機はタイLGのやつなんですが、取説がタイ語しかないので勘で操作してます。ネットで探しても英語版がなかったので、もうしかたない… 説明書大好き人間にとってはなかなかの仕打ちです。

4.食洗機: 動かない


中超汚いし、動かないの。赤いランプがつくだけ笑 これはもう、オットと2人で相談して、なくてもいいよねってことでこのまま放置することになりました。

5.ディスポーザー: 動かない、底からダバダバ水漏れ


そもそも、最初はキッチンのシンクにディスポーザーがついてるってこと自体知らなかったのですよ。シンクの水流れが悪くて、これなんだろなー排水口にしちゃ変な構造だなと思いながら、著者は手つっこんで掃除したりしてたんですが… あとで調べ好きの血がうずいて、排水口の下についてる機械のメーカー名と品番で検索してみたらディスポーザーだとわかった。

恐ろしいのが、ディスポーザーはずっと電源が入った状態だったのですよ。そこに筆者は手つっこんで掃除したりしてたわけ。たまたまこれが詰まってるかなにかで壊れてて動かなかったからなにもなかったけど、ヘタしたら手がこっぱみじんになってたかと思うとぞっとしました。

ネットで取説を落としてきて、どうやら詰まって動かないのだとわかり、詰まったとき用のボタンを押してみたらウーンというだけで動かない。しばらく繰り返してたら本体がめっちゃ熱くなってることに気づいて、怖いからそれからはコンセント抜きっぱなしにしました。

詰まりをとる方法はもうひとつあって、底部にある穴に六角レンチをつっこんでガションガションすること。だからわざわざホムセンで六角レンチセット買ってきたんですが、ディスポーザはヨーロッパのもの、著者が買ってきたレンチはタイのものだからか規格が微妙にあわないらしく、穴とちゃんと噛まなくて使いものにならない(T_T)

著者が多少体調よくなったときにようやくスタッフを呼んだのですが、スタッフがちょこっと触ってみたあとでシンクに水を流したら、なんとディスポーザ底部からその水がダバダバ漏れてきた!

いったいどういうしくみでそんなことになるのかまったくわからないんだけど、ともかくシンクに流した水がぜんぶシンク下の空間に流れ出るようになってしまったわけです。それ見た瞬間に、言葉通じないけどスタッフとオットと3人で思わず苦笑いしましたね。

詳細はわからないんだけどともかく元には戻せないという話で、それから新しいディスポーザがくるまで1週間以上、キッチンのシンクが使えなくなりました。いやーほんと不便だった。洗いものは全部洗面台です。お鍋なんか洗ってられないし、ちょっとした残飯なんかを洗面台に流すわけにいかないからトイレに流したりして、料理なんかできませんでした。

この日に交換だという日、著者はちゃんと着替えて、出かけずに1日待ってたのですが誰もこず。オーナーに連絡するも返事こず。3日ぐらいジリジリしてたら、ある日突然なんの前触れもなくピンポンが鳴って、交換となりました。著者は部屋着だったけど、ままよと出てしまいました。

ディスポーザってそんなに必要性感じてなかったですが、あると便利ですね。この気候なのでちょっとした生ごみがすぐ臭ってきたりするんですが、そういうのがぜんぶ流してしまえるので排水カゴもいつもきれいに保てるし、三角コーナーみたいのもいらなくて便利。なによりキッチンのシンクが使えるのって便利笑笑笑

6.エアコン: 吹き出し口からダバダバと水漏れ


エアコンもすっごい古いやつなうえに、フィルタも本体も真っ黒で、前の住人がまったく掃除してなかった感ムンムンでした。なんなのこのフィルタに詰まったホコリの量、分厚いフェルトみたいよ… もちろんフィルタだけは震えながらすぐに掃除したんですが、日本みたいに気の利いた消毒系のハウス洗剤がすぐに手に入るわけでもなく、本体には手がつけられず。著者はこのエアコンのせいで咳喘息を起こしたんじゃないかととても恨みに思ってます。

咳喘息をおこしたときに、すぐにでもエアコンをクリーニングしてもらわなきゃと思ったのですが、筆者が日中に起きていられない体調だったために、少しマシになるまで真っ黒なまま耐えてました。

そんなある日… 居間にいて「なんか今日はエアコン妙に冷えるな」と思っていた次の瞬間、居間のエアコンから「パタタタタタタ」と音が聞こえはじめました。大きな音だな、なんだか水でも垂れてるような音だな、え… 水…? と思って見にいくと、なんと吹き出し口からダバダバとすごい量の水が流れ出てました。思わずひとりで「ええーっ!」と声が出た笑 エアコンってこんなに水出る機械だったっけ? と感心するような量の水。

オットはそのとき別室で何か電話中だったのですが、筆者はとりあえず水が落ちるところに洗面器を置いたあと、紙に「エアコンから大量の水漏れ!」と走り書きしてオットに見せました。

オットは慌てて電話を切り上げ、見にきてなんじゃこりゃーとひと笑いしたあと、すぐにスタッフを呼んでくれました。スタッフの人はとりあえず応急処置をしてくれて、「もう古いからこういうことしょっちゅうなんだ。ほんとは取り替えたほうがいいんだけど、いずれにしろクリーニングは必要だから、オーナーに連絡しとくよ」というようなことを言ってた様子。数日後にクリーニングの人も来てくれて、エアコン3台がすっきりきれいになりました。

7.居間の掃き出し窓のサッシ: 開かない、開けたら最後閉まらない


たてつけが悪くて、女の力では全体重をかけてやっと開け閉めできるぐらい。西日が入る時間帯になってサッシが熱くなると金属が膨張するのか、さらに開け閉めしづらくなります。前の住人がどうにかしようとしたのか、数ミリあろうかという厚さでコッテコテにグリースが塗られており、これが固まってさらに悪さをしてました。中性洗剤を原液で塗って何回かに分けて洗い流したら若干マシに。

サッシが熱くなっているときには、ちょっと水かけると多少マシになることに気づきました。そのうち何かのついでがあったら見てもらうかなー。

8.ベランダの照明: つかない


球切れなのか断線なのかも確認してませんが、別に困らないので放置です。

タイで生きてると危機意識が身につく…


ディスポーザの件もそうなんですが、「ここにはこういう備品があって現状こうですよ、こういうふうに使ってくださいね、あとこれは危険なので気をつけてくださいね」みたいな説明がいっさいなかったです。入居のときに荷物を運び入れるのを手伝ってくれただけ。掃除もしたって言ってたけど、たぶん嘘だし笑

取説なんかも一応はまとめて置いてあって、探して読めばいいっちゃいいのだけど、ひとつ前に使ってたもので今あってもしょうがない取説がおいてあったり、一方で現在のものの取説がなかったりします。私は調べ好きだからディスポーザなんかもこうして修理して使えるに至ったけど、ふつうだったら「これなんだろなー」と思ったまま滞在して出ていってたかもしれない。私なんかヘタしたらひどいケガしてたかもしれないんだし。

日本ってこういうところがほんとにちゃんとしてたんだな、と思い至ったしだい。タイでは、うっかりしてるとわけのわからないうちにケガしたり命の危険にさらされたりすることがあるので、なんというか生きるうえでの根本的な危機意識が身につきます笑

日本の細やかさが特殊で、世界的にはこれぐらいの感じが普通なのか、そして、生きるうえではどっちがいいのか、ちょっと考えてしまいました。日本ってほんとになんでもサービスや気遣いが細やかだけど、そういうサービスを提供する側に立つと地獄の息苦しさだしね。互いに期待するものが大きくなりすぎて首を締めあってる感じがします。