バンコク市内で有名な国際病院といえばバムルンラード病院ですね。ここは本当に設備・サービス充実。最初に訪れたときには、あまりのゴージャスさ、そして国際色の豊かさに腰抜かしそうになりました。
病院に行くときというのはたいていは具合が悪いときですから、文化や言葉の不慣れな状態で病院にかかるのは不安なもの。著者は幸か不幸かバンコク滞在2ヶ月めにしてすでにそうとうバムルンラードに通いつめているので、最近はいろいろ慣れてずいぶんミスコミュニケーションが減ってきました。今回は、在タイ日本人がバムルンラードにかかる方法、そこでありがちな状況や会話を紹介したいと思います。
初診時の患者登録のしかた
初めてかかるときは、International Clinic棟の10階にある日本人患者用カウンターで患者登録をします。毎日07:00~19:00までなら日本語・英語でも対応の可能な日本人・タイ人スタッフが常駐しているので安心。
バムルンラード・ | 日本人患者様受付 https://www.bumrungrad.com/jp/international-patient-center
必要なものはだいたい以下。
・パスポート
・海外保険被保険者証(海外保険利用者のみ)
・自国で加入している保険会社から出されている書類など(あとで還付を受けたい場合)
・住所、電話番号、メールアドレスなど、自分の個人情報
・薬のアレルギーの有無についての情報
・現在処方を受けている薬についての情報(あれば。お薬手帳でよい)
書類にいろいろ記入し、サインをすると、テーブルの上にニュッと置いてあるWebカメラみたいなものでちょっと適当な感じで顔写真を撮られて(笑) 、簡素なラミネート加工の診察券を発行してもらえます。
予約のとりかた
診察日の3日前までならこちらのページからネット経由で予約ができます。なんと便利な…
タイ、バンコク、バムルンラード・インターナショナル病院の予約ページ - ドクター https://www.bumrungrad.com/jp/contact-us/request-an-appointment
2日以内の急ぎの予約の場合、日本人患者受付に直接電話します。
日本人患者予約用受付直通番号(タイ国内より):
02-667-1501
ちなみに、診察日当日の予約はシステム上入れることができないようになっています。当日になって電話をかけると、「当日の予約はとれませんので、先生がいる○時~○時の間にお越しください。あいた時間にお呼びします」といったようなことを言われます。
予約した場合に起きること
予約日の前日になると、携帯番号やメールアドレスを登録している場合はメールでリマインダが届きます。文面は英語ですが、なんと親切な。何時にどこどこでなになに先生との予約があります。いついつまでにどこどこで受付を済ませてください、などの情報。
まれに予約時間が変更になる場合があって、そういう場合は電話がかかってきます。著者の場合は初めて予約したときにこの電話がかかってきて、タイ語訛りの英語だったこともあって緊張しましたが、相手もていねいに確認してくれるので大丈夫。
電話での会話はこんな感じ。
スタッフ:
This is Bumrungrad Hospital. May I speak to Mr./Ms. ○○?
バムルンラード病院です。こちら○○さんですか?
患者:
Yes, this is ○○.
はい、こちら○○です。
スタッフ:
I called to tell you your appointment time was changed.
Please come to ○○ till 4:30pm,△△△.
予約時間が変更になったのでお電話しました。
△月△日の午後4時30分までに○○にお越しください。
患者:
4:30pm、Ok, I see, thank you.
午後4時半ですね、わかりました、ありがとうございます。
スタッフ:
Yes, 1,6,3,0.(one six three zero), Kha.
はい、16時30分です。
患者:
Ok, thank you.
わかりました、ありがとうございます。
診察日の受付の方法
メールのリマインダではだいたい該当の診療部のある階のT(ターミナル、中央受付)にいくように指示されます。自信のある人は直接そこに行ってもいいですが、基本的には日本人患者受付に行ったほうが安心だと思います。予約がある場合は予約の15分前までに受付を。
診察券を提出して、以下のことを伝えます。
・どこが調子が悪いか
・どの先生にかかりたいか
・予約は何時か(予約がある場合)
・医療通訳を使いたいか
・海外保険を使いたいか(キャッシュレスにしたいか)
海外保険を使いたい場合は、必ず診察前にこの受付時に申し出ます。あとから言うと通らなかったり、手続料をとられる場合があるので注意。
日本人患者受付で受付する場合、海外保険を使うときにはこの時点で書類を書きます。いきなり診療部で受付した場合は、ここでは申し出だけして、あとで会計のときに書類を書くことになります。
いずれにしろ、書類をいくつかホチキスでとめたものと診察券を渡され、どこの診療部に行ってくださいと言われます。これで受付終了。
診療部ターミナルでの受付の方法
診療部ターミナルで受付する場合、だいたいタイ語訛りの英語が通じます。ありがちな会話は以下。
スタッフ:
Which doctor would you like to meet?
どの先生にかかりたいですか?
患者:
I'd like to meet Dr.○○.
○○先生にかかりたいです。
スタッフ:
May I confirm your birthday?
生年月日を確認させてください。
患者:
January 1st, 1970. (ジャニュアリー・ファースト、ナインティーンセブンティ)
1970年1月1日です。
スタッフ:
Ok kha. Do you use any insurance?
OKです。何か保険はお使いですか?
患者:
Yes, I use AIU. I'd like to use cashless service.
はい、AIUです。キャッシュレスサービスでお願いします。
スタッフ:
OK, please go to ○○ counter on the ×× floor kha.
OKです。××階の○○カウンターに行ってください。
※聴き取りにくい単語
birthday =うしろにアクセントで「バーデェーイ」のような発音になることが多いです。
タイ語では「T」など一部の子音を発音しないので、英語でもTが落ちる模様。
診療部での受付方法とボディチェック
日本人患者受付や診療部ターミナルでの受付が終わったら、渡された書類と診察券を持って診療部のカウンターに行きます。
サワディーカー(男性はサワディーカッ)またはハローで、書類と診察券を出します。だいたいは
Please take a seat.
座ってお待ちください。
と待合室の椅子を示されます。
だいたいの場合はすぐにボディチェック(基本的な身体検査)に案内されます。受付と同時に案内されることもありますが、ふつうはいったん座って待つと5分以内ぐらいに
○○サン、カー
Mr./Ms.○○, kha
などと日本語・タイ語・英語ちゃんぽんで名前を呼ばれ、
Your body check kha.
ボディチェックです。
Follow me kha.
ついてきてください。
と、ボディチェック用の部屋に連れていかれます。
チェックするのはふつう
・血圧・脈拍
・体温
・身長・体重
です。
アームつきの椅子に座らされ、腕に血圧計をはめられると同時に、
May I check your temperature?
体温を計らせてください。
Open your mouth.
口を開けてください。
Keep it under your tongue.
舌の下に保ってください。
などと言われながら金属の棒の突き出たものを口に突っ込まれますが、びっくりしないように。これは舌下式の体温計で、一瞬で体温が計れます。
計測が終わると結果が読み上げられ、
Your pressure is normal.
血圧は正常です。
You may have a fever.
熱があるようですね。
などと一言説明してくれます。
そのあと、身長計と体重計のくっついたものを示され、
Please take off your shoes.
靴を脱いでください。
と言われます。
靴を脱いで体重計にあがります。身長も計ってくれることもあれば、
How much is your height?
身長はいくつですか?
と訊かれることもあります。なにも訊かれないことも。
答える場合は、160センチなら「ワン・シックス・ゼロ」でOK。
すべて終わると
Finished, thank you.
終わりました。ありがとうございます。
と言われるので、
コップンカー(男性はコップンカッ)とかThank you. とか答えましょう。
Please wait outside.
ここの外(待合室)でお待ちください。
と言われるので、待合室に戻って診察に呼ばれるのを待ちます。
診察の順番がくると、
Mr./Ms.○○ kha.
○○さんどうぞ。
Please see your doctor. Follow me kha.
診察です。ついてきてください。
などと言われて診察室に連れていかれます。
診察時については先生が日本語を喋れるか、または医療通訳がつくと思うので説明は省きます。
※聴き取りにくい単語
outside =うしろにアクセントで「アウサァーイ」みたいになることが多いです。タイ語ではTとかDといった末子音を発音しないことが多いので、英語でも同じ癖が出る模様。
laboratory =ラボラトリー、検査室という意味ですが、うしろにアクセントで「ラボトーイ」「ラボトリーイ」みたいになります。タイ語ではRを発音しない人も多いのでこうなる。
著者はいちど、検便を提出しなきゃいけなくて「どこに提出すればいいですか」と聞いたら「ラバトリー(トイレ)に…」と聞こえて双方が噛み合わなくなり、結局電話で通訳の助けを借りることになったことがあります。
診察後の流れ
診察室を出ると、手で外を示しながら
Finished. Please wait outside.
終わりました。ここの外(待合室)でお待ちください。
と言われるので、お礼をいって待合室に戻ります。
まもなく診療部の受付カウンターの中から呼ばれます。グレーの大きな文字で4ケタの番号の書かれた紙のついた書類を渡されながら
Please go to cashier.
会計に行ってください。
と言われるので、同じ階のCashier(会計)カウンターに向かいます。
会計の方法
手の開いていそうなスタッフにサワディカー(サワディカッ)といって、さきほど受け取った書類を渡します。その場でしばし待つと、
We'll call your number.
番号でお呼びします。
Please wait.
お待ちください。
と言いながら書類を返してくれます。
しばし待つと、書類に書かれている4ケタの番号か、名前で呼ばれます。窓際にある電光掲示板に番号が表示されることも。
呼ばれて行くと、診療明細などの書類を数枚示され、
May I have your signature here?
ここにサインしてください。
と言われます。書類のサインするところにピッとペンでチェックしてくれることもあれば、手で示すだけのこともあります。内容に間違いがないか確認したうえでサインして渡します。サインは日本語表記で構いません。
海外保険のキャッシュレスサービスで通っているか不安なときは、
Is this cashless service?
これはキャッシュレスサービスですか?
などと訊きましょう。
このあたりまで終わると、薬が出ている場合はそろそろ向かいの薬剤部に回されます。
Do you have any medication today?
きょうは薬の処方はありますか?
と訊かれることも。
You have medication today. Go to the counter over there na kha.
お薬が出ていますので、あちらのカウンターに行ってください。
などと、向かいのカウンターを手で示しながら言われます。お礼をいって向かいに移動しましょう。
薬の受け取り方法
薬剤カウンターではただ待っているだけで呼ばれます。最初に何か提出したりする必要はありません。
ここで最低5分ぐらいは待つことが多いです。タイはのんびりしているというか、日本がなんでもテキパキしすぎなのかもしれませんが、スタッフの動きがなんとなくスローモーに感じてイラつくかもしれません。文化の違いなので、なるべくマイペンライで。
番号か名前で呼ばれます。
May I confirm your birthday?
生年月日を確認させてください。
と言われるので、
January 1st, 1970. (ジャニュアリー・ファースト、ナインティーンセブンティ)
1970年1月1日です。
などと答えます。
Have you had any allergy on medicines?
薬にアレルギーはありますか?
と必ず訊かれます。自信がないと日本人の性でうっかりyesと答えてしまいそうになりますが、薬にアレルギーがないならしっかりnoと答えましょう。アレルギーがある場合は、できればその薬の英語名を前もって調べておいて、答えられるようにしておくとよいです。薬剤アレルギーに関する情報は患者登録のときに登録してあるはずなので、とっさに答えられなくてもまあ問題はありません。
あとは、日本の薬局と同じで薬の種類と飲み方の説明です。
This is antibiotics.
これは抗生物質です。
Take 1 tablet 2 times in the morning and evening after meals.
1回1錠を1日2回、朝と夜に服用してください。
Do not take with milk.
牛乳と一緒に飲まないでください。
などと言われます。
とっさに聞き取れなくても、ほとんどの場合パッケージに書いてある説明を読みあげているだけなので、よっぽどわからないことがない限り大丈夫。
著者は使ったことがないですが、どうしても理解する自信がないときはその場で電話を使って簡単な通訳を頼むこともできるようです。どうしてもわからなくって本当にヤバイなというときは、曖昧にニコニコしたりしていないで、はっきり
I don't understand, sorry.
わかりません。すみません。
Translator please.
通訳をお願いします。
などと言いましょう。
すっごいお洒落なスタバみたいな紙袋に薬を入れてくれます。お礼をいって去りましょう。
パッケージの説明であとでわからないことが出てきたときには、ネット環境がある人はまずGoogle翻訳などに頼ってみましょう。それも自信がなかったら日本人患者受付に電話してみるのも手です。
無料シャトルバスの利用方法と注意点
毎日7:00~20:00まで、BTSナナ駅前との間の無料シャトルバスが出ています(Bumrungrad Free Shuttle Van Service)。バムルンのロゴのついたクリーム色のバンです。
毎時0分、20分、40分と、20分ごとにバムルンラードを出発し、特に渋滞などの問題がなければ出発後5~10分程度あとにBTSナナ駅前に着きます。
止まるのは、ナナ駅1番出口を降りたところの、エスカレーターと階段の間ぐらいの位置。だいたいは人待ち顔で待ってる人が何人かいるので、うっすら仲間意識を感じながら待ちましょう。
これはこのバスだけじゃなくタクシーとかでもそうなんですが、ドアは日本と違って乗客たちが自分で開け閉めします。バスが止まったらこちらからドアを開けてあげてもよいでしょう。乗り込むのが最後になったら、自分でドアを閉めます。
問題なのが、これがしょっちゅう30分以上来なかったりすること。渋滞があったりすると簡単に欠便したり、大幅に遅れたりするようです。ナナは比較的治安の悪いところで、とくに夕方以降はかなり危険。
ぶじ乗ることができても、ちょっとの距離でびくとも動かなくなって1時間近く着かないことも。途中でしびれを切らして、降りて歩き出す人もいます。
タイ語がわかれば、周囲でいろいろ「遅れてるらしい」「ここから先詰まってるから歩いたほうがいいかも」とかされてる会話もわかるのですが、タイ語がわからないのなら不安はつのるばかり。そんな状態でバスに乗るよりかは、プロンチット駅から少し歩く方法をとったほうがいい場合もあるかも。
0 件のコメント:
コメントを投稿